CASE 解決事例

不動産登記

区分所有の家屋を
所有するリスク

2世帯住宅に同居していても、家屋を区分所有している場合は、土地の評価減ができる小規模宅地等の特例が適用されないことがあります。

CASE STUDY 実際の事例

Y様ご夫妻は2年前に相続対策のご相談に来られました。預貯金は2,000万円で、都内には土地も所有しています。試算したところ、相続税評価額は1億円でした。
その土地には15年前に2世帯住宅を建てて、長男夫婦と同居しています。
相続人は妻と長男の2名だけ。妻がすべての財産を相続すれば配偶者控除で税額がゼロになることはご承知のようでした。
しかし、二次相続を考えると土地を長男に相続させた方がよいのではないのかと考えており、当事務所に相談した次第です。

SOLUTION 当事務所による解決

当事務所はまず土地・建物の所有者を確定させるために、登記事項証明書を取得しました。
その結果、土地の権利はY様にありましたが、なんと建物の1階はY様、2階は長男様で区分所有登記がされていました。
建物が区分所有されている場合は、長男様が住んでいる2階に相当する土地の面積は土地を評価減できる小規模宅地等の特例を使うことがでません。
分譲マンションのように区分所有されているとお考えください。いくら親子が隣同士に居住していても、別所帯と考えるのと同じイメージです。
そのため、長男が土地を相続しても小規模宅地等の特例は適用されず、土地は1億円で評価されることになります。
特例が使えない場合の相続税は相当な金額になりますので、まずは区分所有の建物をY様と長男様の共有のものにする登記変更を行いました。共有家屋にした結果特例が適用され、長男様が土地を相続した場合は1億円の80%、8,000千万円の評価額減が可能となります。
相続発生前にご相談を受けておりましたので、事前対策を完璧に行うことができました。

POINT 気をつけたいポイント

  • 区分所有家屋は小規模宅地等の特例を適用させることができません。しかし、その事実を忘れている、または知らないご家庭が多いのも事実です。
    2世帯住宅で親子が同居している場合は、相続発生前に確認しておきましょう。
  • 建物が区分所有で登記されているときは、共有名義に登記変更する、売買や贈与によって建物の所有者を変更する、というように相続が発生する前に対策をしておくことが大切です。
  • 同じ土地に別棟の建物で親子が居住している場合も、区分所有と同様に小規模宅地の特例を適用させることができません。

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